9月15日に開催されたMGCマラソン・グランドチャンピオンシップで女子2位を勝ち取った鈴木亜由子選手。
昨年、北海道マラソンでも初フルマラソンながら優勝という驚異の戦績を残しており、今回の走りで一位の前田穂南選手と共に東京オリンピック代表の内定もゲットしました。
現在27歳。名古屋大学出の「頭のいい」ランナーとしても有名ですが、154㎝、38㎏と小柄な体で懸命に走る姿はファンならずとも応援したくなってしまいます。
そんな鈴木選手を育んだご実家は地元では有名なお米屋さんだとか。
今回は鈴木亜由子選手の家庭環境や学業のことなどプライベートの部分にスポットをあててみたいと思います。
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鈴木亜由子の実家はお米屋さん!
愛知県豊橋市で生まれ育った鈴木選手。
そのご実家は市内でも大きなお米屋さんとして知られています。
大柄な外国人選手のストライドに負けないスタミナをくりだしているその源はお米だったのか!___と納得してしまいますね。
引用:https://blog.goo.ne.jp/sear600nagai/e/dec46c42d3fbdc63645108e61892fc2a
このお店が豊橋市内でもよく知られているにはもう一つ理由があります。
この地方ならではの郷土料理である“五平餅”を常設で作ってくれるお店はこの鈴木米穀店のみ、だということなのです。
五平餅は朝ドラの「半分、青い。」で全国的に有名になりましたが、お祭りなどで販売されることが多く、ことに豊橋市内では平素めったに食べられるものではありません。
秋口から2月ころまでの季節限定ではありますが、店先のガス台で、鈴木選手のおばあさまが手作りの五平餅を目の前で焼いてくれるというちょっと贅沢なそれは、香ばしい味噌だれと、落花生とクルミを砕いてトッピングにしてくれるという美味しさです。
きっと鈴木選手もおやつに食べていたのではないでしょうか?
これを食べて走って勉強すれば彼女にあやかれるかもしれませんね!
鈴木亜由子が名古屋大学に進学した理由は?
名古屋大学と言えば、旧帝大、名古屋でも屈指の名門であり、超難関校です。
鈴木選手は旧帝大出身としては初の五輪出場選手だということですが。
彼女がそこに進学した理由がちょっと普通ではありませんでした。
引用:https://www.fujitv.co.jp/muscat/20180563.html
まず、鈴木選手は幼い頃は喘息とアレルギーに悩まされたことから、体を鍛えるために三歳で水泳と、小学校で陸上競技を習い始めました。
さらに、10歳の頃にはバスケットボールを始め、キレのある体の使い方を修得していったようです。
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)女子速報 – スポーツナビ https://t.co/2JaeuAaY5O
バスケットが大好きだった鈴木亜由子ちゃん
コートの中でも走るの速かったもんね
五輪代表内定おめでとう
がんばれー— YUKO (@yuko27996278) September 15, 2019
中学校では陸上部が無く、バスケットボールを続けながら陸上のクラブチームに所属するという努力の結果、全国大会の1500mを連破、2006年・2007年の都道府県対抗女子駅伝では高校生、大学生、社会人の選手が走る中で3区の区間賞をとるという実績を残していました。
引用:https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20181001-OYT8T50111/2/
そんな彼女が進学したのがこれもまた愛知県トップクラスの進学校である時習館高等学校です。
文武両道ともいうべきこの学校の偏差値はなんと70前後ということですから、いかに鈴木選手のポテンシャルが高いか、ということがわかります。
地元密着型の競技生活ではありますが、残念ながら高校では故障を繰り返していたことから記録には手が届きませんでした。
というのも、彼女が当時もっとも悩まされた故障が足の甲の疲労骨折というもの。
練習のし過ぎからくる怪我ということで、ジレンマを抱えていた時期だったのでしょう。
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190915000997.html
元来、ぼーっとしていることができない性格で、勉強も練習も、やらずにいられない性格だった彼女は、それでも男子との練習から記録を伸ばせそうだということに気付き、そうした環境を求めて名古屋大学への進学を決めたのです。
前述の通り、高校では目覚ましい成績は残せなかった鈴木選手ですが。
だからこそ、陸上の名門と言われる大学にこだわらず、家から通える範囲で、男子と一緒に“質の高い練習”ができるところが魅力だった、というのが名古屋大学だったのです。
引用:http://nagoya-univ.sakura.ne.jp/middle-long/
だからといって簡単に入れるところではありません。
受験勉強も大変だったはずです。
そんな“努力の虫”の彼女は大学時代にめきめきと実力をつけ、国内ではインカレ女子5000mを連破し、世界ジュニア陸上競技選手権大会で日本代表、2013年のユニバーシアード(ロシア)で女子10000mで金メダル、さらに5000mで銀メダルを取るなど、華々しい成績を残したのです。
まさしく才色兼備の秀逸さですね。
鈴木亜由子が“頭いい”と言われる所以は?
鈴木亜由子選手はいわゆる”頭がいい”とよく言われています。
1つ目はもちろんその学歴。
旧帝大の名古屋大学に代表されるように、鈴木選手が進学した学校は全て「自宅から通える公立校」でしたが、それらはスポーツエリート校というわけでも、スポーツ推薦があるわけでもありません。地道に勉強しなければ手が届かない、いずれも難関校だったのです。
彼女が自らそうした進路を選択した時に口にするのが“集中力”です。
より厳しい場所に自分を置いて、切磋琢磨するのはもちろんのこと、限られた時間の中で、そこで吸収できるものは全て身につけずにはいられない貪欲さは、それそのものが才能と言うべきでしょう。
自らを追い詰めるほどだった高校時代、結果的にその努力のバランスを欠いて怪我に苦しむことになった時期を経て「がむしゃらにやればよいというものではない」ということが身についたのか…。
名古屋大学に進学して以降は自分に適した練習を探り当てるようになり、ぐんぐんとその力を伸ばしていったのです。
それこそが文武両道・才色兼備であると言われる所以です。
引用:https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20181001-OYT8T50111/
そしてもう1つは、”自ら考え実践する、工夫する能力”です。
自身を見つめ、最適な方法を模索して身につける___それは練習メニューもですが、陸上の選手としてもっとも大切なランニングフォームの緻密さ、それに必要な体幹トレーニングなど、どんどん自分の内側へ、内側へ、と掘り下げていく作業になるのです。
スポーツ強豪校は寮やトレーニング施設を完備して監督・コーチが生活全般を管理するところから競技にフィードバックしていきますが、鈴木選手の場合は高校や大学で指導者には恵まれながらも、自ら考え、自分で全てを熟していくことを旨としていました。
大学時代には一人暮らしも経験し、競技に関しても自分で自分をプロデュースするスタイルを貫いていたのです。
それが形となったのが、同年輩の多くの陸上エリートとは全く異なる“走り方”でした。
引用:Youtube「AA Aichi」
質の高さを追求する集中した練習法と、そこから叩き出した成績は見事にリンクし、今に至ります。
鈴木選手の賢さ、緻密さは自分を内観し、研究し尽くしていくことへとつながり___今回のMGCでも、独走態勢に入った前田穂南選手を無理に追うことなく、自分のペースを堅持したことでの“2位”で、オリンピック代表枠にも届いたのです。
引用:Youtube「DocumentaryChannel」
おまけですが、MGCの後、その前田穂南選手と出演したテレビ番組のYoutube動画をアップしておきます。
ここでも鈴木選手の才媛ぶりが発揮されていて、質問の答えに詰まる前田選手の代りに、鈴木選手が代弁し、前田選手から”頭いいー”と言われる一幕が見られます!
まとめ
“お米屋の亜由ちゃん”___彼女は幼い頃からそう呼ばれていたようです。
地元でも知られたおうちの娘さんで、しかも才媛!
鈴木亜由子facebook
しかし、気取らないその笑顔と素直な言葉、小さな体で懸命に走る姿に、皆が声援を送っているのです。
今も多くの豊橋市民、そして日本中の多くのファンが応援する彼女の“走り”は、来年のオリンピックに向けて研ぎ澄まされています。