働き方改革法成立!有給取得義務化へ改正労基法を社労士眼で解説。

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~今回はついに成立した働き方改革法。有給取得の義務化などを規定した労働基準法の改正条項を解説・分析していきます~

こんにちは! らいふれんどです。

改めまして、この私ですが、社労士試験に合格後、10年以上企業をお相手として、人事・労務に関するコンサルタントを生業としております。

>>管理人プロフィールはこちら

ここでは参考ですが新着投稿です!社労士試験2018合格発表を受け更新しました是非ご覧ください!★

>>「2018年社労士試験の合格率は6.3%!今後の難化傾向と試験制度予想は!? 」 

ですので当然ですが現内閣がここ数年やっきになって取り組んできた働き方改革法案については、案が出されまたひっこめられるたびに、取引先からも随分とご相談をお受けしておりました。

そしてついに成立しましたね。先の6月29日、参議院会議で可決されました。

ということで、今回から何回かに分けて、社労士の眼で、当ブログを閲覧頂いている皆様のお役に立つ情報を企業サイドと労働者サイドの双方からご紹介していこうと思います。

もちろん、クライアント企業様に機密情報等は遵守したうえで綴っていきます!

それでは、行ってみましょう。今回は労働基準法編(前半の部)として、有給休暇取得を義務化するなど、長時間労働の是正を目的とした改正条項を解説していきます!




働き方改革法とはそもそもどんなもの?

働き方改革法という名称の法律はなく、労働基準法や労働安全衛生法など計8本から成る法律の改正案を1つにまとめた総称のことを言います。阿部内閣が第196回通常国会の最重要課題と位置づけてきたもので、阿部内閣3選の起爆剤ともなるものでしょう。

厚生労働省が唱えてきた大義名分は次のとおりです。

(我が国が直面する状況)

・少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少

・育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化

(課題)

・投資やイノベーションによる生産性向上

・就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境づくり

この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方1人1人がより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す。

>> 厚生労働省HP 「働き方改革」の実現に向けて

有給休暇取得を義務化!労働基準法「長時間労働の是正」改正条項解説・分析

今回は労働基準法の前篇として、一定の有給休暇取得を義務化するなど長時間労働の是正を目的とした主要な改正条項をわかりやすく1つ1つ見ていきます。

1.時間外労働の上限規制の導入

(2019年4月1日施行 / 中小企業は2019年4月1日施行)

<条文内容>

①「時間外労働の上限を、原則月45時間年360時間とする

②例外として臨時的な特別の事情がある場合は年720時間単月で100時間未満(これには休日労働時間を含みます)、複数月平均80時間未満(同様に休日労働時間含む)とする。

②但し、原則である月45時間を超えることができるのは年6回まで

【社労士眼(eye)解説】

これについては、元々、「労働基準法36条1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」という厚労省の告示で定めされていたルールが、法律に格上げされたものです。

告示とは、行政機関が決定した決め事を公に発表したもので、多くは法律の条項を補完する運用ルール的なものですが、性質的に法律と同等の性質を持つものもあります。

この告示が、正にそういったものであり、各企業が36協定(時間外・休日労働協定)を締結し、労働基準監督署に届け出る場合は、厳にこれに縛られていました。

従って、民間企業側としては、これ自体に大きく影響を受けるものではないのですが、注意したいのは、新たに、「単月で100時間未満」、「複数月平均80時間未満」などの細則が追加されています。特に単月であれば、業務逼迫の度合いによって100時間を超える可能性は、どの企業にでもざらにあると思いますが、これをやってしまうと即法律違反として罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となることになります、、怖いですね、、

2.中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し

(2023年4月1日施行)

<条文内容>

①「月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)の規定に関して、中小企業への猶予措置を廃止する」

【社労士眼(eye)解説】

2010年施行の改正労基法により、時間外労働の法定割増率(25%以上)を、月60時間をこえた場合は50%以上としなければならなくなりましたが、中小企業については相当期間これが猶予されていました。

今回の改正で、いよいよ中小企業にもこの網が被せられることとなります。ちなみに、ここで言う中小企業の定義については、以下のURLをご参照ください。

>>福岡労働局HP

まあ、時代の趨勢ですが、これって36協定の書き方や、60時間を計算する場合に法定休日(例えば日曜部)の労働時間は含まなくていいけど、法定外休日(例えば土曜日)は含まなくてはならない等、結構ややこしいんです。大企業のように労務担当がしっかりしていればいいのですが、零細企業など社長が事務も兼務しているところなどでは、対応するのが難しいのではと心配します。

そういう場合は、しっかりした社労士さんと顧問契約を結んでくださいね(笑)

3.一定日数の年次有給休暇の確実な取得

(2019年4月1日施行)

<条文内容>

①「毎年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、その内5日について、毎年、時季を指定して与えなければならない。但し、労働者が時季を指定して取得した日数分および計画的付与により取得した日数分については指定の必要はない。

【社労士眼(eye)解説】

これは、簡単に言うと、「年間少なくとも5日は有給休暇を与えなさい。法的義務ですよ!」というものです。最近では随分と有給取得率も上がってきてますが、昔から日本のサラリーマンは勤勉で、満足に休まず仕事するという姿勢が美学とされてきた時代があったことは事実です。土日もサービス出勤するような環境では「有給。なにそれ?」って感じだったのではないでしょうかww

しかし、時代は変わりました。昔は美学でも、現代ではそれは社会情勢にも違背した法律違反として、過重労働により自らの健康を蝕むばかりか会社をも追い込んでいくことになります。

そして、この改正一般社員のみならず、管理職も対象となります。そうです、時間外・休日労働規定の対象外として労働基準法の管理監督者として扱っていても、年次有給休暇と深夜労働は対象としなければならないのですね。管理職の中には、今でも年間の有給休暇取得ゼロなんてゴロゴロいらっしゃると思いますので、会社として、このあたりの管理も新たに発生することになります! 大変ですね、、

前篇 まとめ

さて、働き方改革法 労働基準法編 前半の部はこのあたりまでとしておきます。

企業の労務担当の方はほんとに大変だと思いますが、こればかりはお仕事ですから頑張って法改正対応に励むしかないですよね。

繰り返しますが、労務担当のいらっしゃらない企業様は、しかるべき社労士さんと顧問契約を締結しましよう!(笑)

次回は後半の部として、「多様で柔軟な働き方の実現」を目指した改正点を紹介したいと思います。

では、また!




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