クリスマスの夜に現れ、赤い衣装を身にまとい、やさしげな表情で微笑んでいるおじいさんといわれれば誰もが同じ人物を思い浮かべますよね。
そう、「サンタクロース」です。
しかし、サンタクロースの知名度の割にはサンタクロースの由来や起源ともいえる人物についてはあまり知られていません。
というわけで、サンタクロースの起源ともいえる人物「聖ニコラス」についてご紹介していこうと思います。
「聖ニコラス」と聖ニコラス伝
聖ニコラスとは
聖ニコラスは4世紀頃の小アジア(現在のトルコ)のミュラという古代の都市に実在した司教です。
大変優しい性格で貧しい人や子供などの弱者をよく助けていたそうです。
聖ニコラス伝には様々なニコラスに関する伝説が伝えられており、その中の一つに、サンタクロースの元になったといわれるお話があります。
ということでそのお話を以下に示します。
聖ニコラス伝
ニコラスが司教になる前、ニコラスの近所には3人の娘とその両親が暮らしていました。
その家族は大変貧しく、上の娘は結婚したいと考えていましたが、その結婚資金でさえ準備できず、それどころか、彼女が娼婦にでもならなければならないという危機的な状況に陥っていました。
そのことを知ったニコラスはいてもたってもいられず、彼女を助けようとその家の煙突から金貨を投げ入れました。
すると何の偶然か金貨は暖炉のそばに干してあった靴下の中に入り、そのお金で娘は救われ結婚することが出来ました。
しかし、その家庭が貧しいことは変わらず、下の2人の娘も助けるため、同じことをしてその家庭を救いました。
三女が助けられたとき、両親はこれは偶然ではないと金貨を放り込んでいる人に、絶対にお礼を言わなければと、ニコラスが来るときまで待っていました。
そして、3度目の金貨を届けに来たニコラスを見つけ、両親は大変驚きました。
まさか、近所の若者が助けてくれていたとは思わなかったのでしょう。
両親はニコラスに大変感謝しましたが、ニコラスはこのことはだれにも言わないで欲しいといいそのまま去っていきました。
このお話が後々広まり、「サンタさんは煙突からやってくる」
そして「靴下を下げておくとプレゼントがもらえる」というサンタのイメージが出来上がったそうです。
聖ニコラスとサンタクロース
サンタクロースの語源
このようにサンタクロースの起源といわれている聖ニコラスですが、「サンタクロース」の名前の由来にもなっています。
聖ニコラスは「サンタ・ニコラス」と呼ばれていましたが、オランダ読みだと「シンタ・クラース」と呼びます。
それが時間とともになまっていき、最終的に「サンタ・クロース(santa claus)」に落ち着いたそうです。
サンタクロースの容姿
1つ目は、皆さん良く知っている真っ赤な服に白いひげを蓄えたふくよかなおじいさんの姿。
これはコカ・コーラのCMに登場したサンタクロースが元になっていて、コカ・コーラの普及とともに世界に広がっていきました。
そのため、日本を始めアメリカの影響を受けた国ではこのサンタクロースのイメージが定着しています。
しかしながら、サンタ伝説にはもう1つイメージされている姿があります。
それは聖ニコラスそのものを表わしているサンタクロースです。
赤を基調としているのは変わりませんが、このサンタはニコラスと同じ司教の姿をしています。
しかし、ほとんどの国がコカ・コーラのサンタクロースのイメージがついてしまっているのであまり見かけることはないですね。
まとめ
聖ニコラスは大昔に亡くなってしまいましたが、その弱者や子供を助ける精神は、子供たちにプレゼントを届けるサンタクロースとして後世に引き継がれています。
これだけの年月がたってもサンタクロースが失われてないのは、ニコラスの子供を助けたい思いがしっかりと伝わっている証拠なのかもしれません。
これで、また1つワンランク上の雑学知識が身に付きましたね(笑)
今年のクリスマスは「聖ニコラス」を思い浮かべ哲学的に過ごしてみるのもいいかもしれません。
それでは、今回はこのへんで!